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株式会社ザイマックスインフォ二スタの働き方改革事例(ファシリティ編)

自社オフィスのレイアウト変革から、新しいサテライトオフィスの展開まで

投稿日:2019-08-16

  • 会社規模

    70人

  • 業種

    不動産業

  • 対象職種

    全社員

    企画・管理

不動産の賃貸仲介と働き方改革支援、並びに不動産情報のマッチングサイトの運営を事業としているザイマックスインフォニスタ。そんなザイマックスインフォニスタが働き方改革に挑戦し始めたのは、2014年のことだった。

その一連の働き方改革の中で、今回は「ファシリティ編」と題して、主にオフィスにまつわる取り組みについてお届けしていきたい。

働き方改革として、オフィスレイアウト変革に挑んだ背景

2014年7月当時、ザイマックスインフォニスタは、自社のオフィスレイアウトに対して、大きな課題感を抱いていた。

レイアウト変更以前のオフィス。

それは、1つの組織が2フロアに分けられていて、フロアが異なると接点がほとんどないということ。加えて、同じフロアでも、部署が違えば情報共有が図られることもなく、組織全体としてのシナジー創出も十分に果たされているとは言い難い状況であるということ。

そのような中、2014年10月、現状を打開すべく、社内でひとつの委員会が立ち上げられた。

働き方改革委員会の立ち上げ

その委員会の名前は、「Workstyle Innovation Committee(働き方改革委員会)」、略称「WIC:ウィック」
偏りのない意見を取り入れていくために、各部署から営業・事務スタッフ1名ずつを、WICのメンバーとして任命した。
そして、新しい働き方のデザインを含め、新オフィスカットオーバーまでのアクションプランを、以下のような大きなフェーズに分けて設定していった。

現状把握(課題認識)
  ▼
ありたい姿を設定(コンセプト定義)
  ▼
解決策の提示(詳細設計)
  ▼
実施(分科会を中心とした働きかけ、社内説明、レイアウト変更工事)

現状把握

3-1. 課題認識(社内アンケートの実施)
まずは、現状のオフィスレイアウトの問題点を洗い出すため、全社員を対象に、今の働き方やワークプレイスに関するアンケートを実施した。すると、以下のような声が寄せられた。

[アンケートで得た主な声]
・部署間での情報共有がアクティブでない。
・気軽に話せる場所の不足。
・フロアが違うと接点が持てず、中には話したことがない人もいる。
・会議のたびに出る大量の紙。
・自分たちのオフィスに自信が持てず、モチベーションが維持できない。
・情報共有方法がメールに偏りがち。

レイアウト変更以前のオフィスの風景。複合機の周りにたくさんの紙や備品が積まれている(右)。個人デスクは紙資料で溢れているパターンも(左)。

3-2. 課題を5つに分類
WICは、これらの社員アンケートの結果等を踏まえ、オフィスの実態を把握。課題を5つに分類した。

1. 部署間のコミュニケーション不足
2. 部署内のコミュニケーション・ナレッジ共有不足
3. 氾濫する情報(デジタル情報の格納場所が未整理)
4. 紙データ(プリントアウト資料)の氾濫
5. IT環境の遅れ

新オフィスコンセプトを5つに定義

課題点が抽出・整理されたので、次は、「ありたい姿」を明示化していく。そして、次のように5つのオフィスコンセプトが定義された。

1. ビジョンの共有(会社としての基本戦略の共有)
2. 外出を前提とした法人営業を後押しする環境づくり
3. 部門間の連携促進(コミュニケーションの活性化)
4. 情報の共有・可視化(情報の見える化)
5. 新しい発想の創出(情報・人的資源の活用、コラボレーション)


この実現のためには、なによりもまず「ワンフロア化」を成し遂げなければならなかった。
それは、「1.5フロア(約190坪)」を「1フロア(約140坪)」に統合して、全社員が同じフロアで働けるようにするということ。
ここから、徹底した面積効率化の取り組みが始まった。

※この時、ザイマックスインフォニスタが行った「ファシリティ面」以外のアプローチの詳細については、以下の記事をご参照ください。
・ザイマックスインフォニスタの働き方改革[人事関連、ワーカーの啓発・教育編]
・ザイマックスインフォニスタの働き方改革[ICT編]

省スペース化への取り組みに向けて

面積効率化に向けて、「紙文書の削減(ペーパーレス化)=ICT化の推進」とともに避けて通れないのは、「フリーアドレスの導入」への取り組みだった。

フリーアドレス(※)とは、オープンオフィス形式で、座席をメンバー間で共用していこうというオフィススタイルのこと
モバイルツールの活用を前提としたワークスタイルで、カフェや図書館の閲覧室のように、そこには個人専用の座席というものは用意されない。

※ちなみに、この働き方の発祥の地は、実は日本。1987年、清水建設・技術研究所が「フリーアドレス」という名称とともに実現させたのが世界初と言われている。

当時のオフィスは、一人ひとりのデスクを画一的に並べた、従来型の島型レイアウトを採用していた
ところが、外出する営業が多いので、せっかく個別に席が与えられていても、そのデスク分のスペースは遊休していることが多かった。
その日中の在席率の低さを計算に入れた上で、フリーアドレス化を果たすことによって、過剰分の座席数を削減していこうというわけだ。

レイアウト変更に向けて、分科会の立ち上げ

6-1. 4つの分科会
「フリーアドレスの導入」と「紙文書の削減(ペーパーレス化)」といった大きな方向性が定まったところで、「働き方改革委員会(略称WIC)」は、2015年4月、改革の実現に向けて、以下のような4つの分科会を立ち上げた。

[空間(レイアウト)分科会]
ワンフロア化の実現を目指す。また、フリーアドレス導入後の、空間・ファシリティの最適な活用方法も同時に考えていく。

[紙削減分科会]
オフィス面積を圧迫する膨大な紙資料の削減をミッションとし、書類の断捨離や名刺のデジタル化、不要な書類の回収などを行っていく。

[情報共有分科会]
情報の整理と導入すべきツール(ICTツール含む)の検討を進めていく。

[効果測定分科会]
会議時間や在席人数調査、新しい働き方に対するアンケート調査など、定量・定性の両側面から一連の施策の成果を可視化していく。

6-2. 空間分科会のミッション
その内、ファシリティに関する施策を先導していったのが、「空間(レイアウト)分科会だ。
空間分科会のミッションは、1.5フロアに収まっていた社員の全員を1フロアに集約し、それでもなお、快適でゆったりと空間を使えるアイデアを集め、そして、そのアイデアを元に適切なレイアウトを検討していくこと。

また、今回のレイアウト変更はフリーアドレス(グループアドレス)化を前提としているので、固定席を対向島型で配置していた時代から、オフィス環境は必然的に大きく変わっていくことになる。
そのため、新しいオフィス運用ルールの策定も、この空間分科会の大切なミッションだった。

6-3. 新オフィスのレイアウト変更に向けて
そうして、空間分科会が中心となって、ファシリティ・レイアウト変更作業についての具体的なアクションプラン(スケジュール)を策定していった。

2015年4月
レイアウトプランの検討(毎週定例会形式で会議開催)。
2015年7月
ショールームで家具等の実物確認。
2015年8月
レイアウトプラン決定。社内への新レイアウト説明会開催。工事業者との打合せ。
2015年9月
新しいオフィスの名前を全社員に募集。

3つの「UP」実現への想いが込められた、Tri UPのロゴ。

この公募によって、新オフィスの名前が決定した。その名も「Tri UP(トライアップ)」。
名前の意味は、「Triangle(トライアングル=3つの角度)」から「UP(価値の向上)」を図り、新しい働き方の創造に「Try(トライ)」していく、というもの。ちなみに、3つのUPには、「効率UP」「コミュニケーションUP」「モチベーションUP」の意味が込められている。

新オフィスの風景。明るく、開放的なイメージに。

レイアウト変更工事の実施、その成果

オフィス改革までの流れ。

レイアウト変更工事の実施、その成果

そして、いよいよ、2015年9月18日〜9月23日にレイアウト変更工事が実施された。

7-1. 全体的な変更点
フロア全体に関わる変更点は以下の通り。

・緩やかなユニット意識
・ユニットを越えた風通しの良い情報共有
・マネジメントの効率化

面積的には縮小されたにも関わらず、以前よりも空間的な余裕ができ、全体的に開放的な印象になった。まっすぐ整然と組まれた対向島型のデスク群は取り払われ、オフィス中央にはゆったりとした「オープン・ミィーティングスペース」を配置。そこに据えられているデスクもフレキシブルに動かすことができるので、大人数でのミィーティングにも対応可能だ。

部門長席」はオフィスの奥中央に配され、それを“扇の要(かなめ)”として、そこから放射状に「グループアドレス」のビジネスユニットが連なっている。部門長席として一つにまとめたのは、取締役および各部部長の席を物理的に近づけることで、部門間の情報共有を促進していこうという狙いがあってのことだ。

さらに、社内のどの座席からでも眺められるオフィス中央の壁面には、「デジタル・サイネージ(Digital Signage/電子看板)」のディスプレイを配置。ここでは、経営戦略・方針なども視覚的に伝えられていく。経営に関わるレイヤーの高い情報ながら、働きながら自然と繰り返し目に入ってくるので、社員たちは無理なくゆっくりと、経営層の想いを腑に落としていくことができる

7-2.各エリア・ファシリティについて
次は、個々のエリア・ファシリティについて見ていこう。それぞれに工夫を凝らしたデザインが施されている。

[スタッフエリア]

グループの島の中で自由に固定席を交換するグループアドレスを採用しているため、内勤スタッフ(総務やシステム担当スタッフ)の座る位置もわかりやすい。営業マンも探すストレスがなく、相談しやすい。

[着席用ミーティングエリア]

椅子を用意したオープンタイプのミーティングスペース。デスクをつなげて大人数のミーティングを行ったり、すぐ近くに設置してあるデジタル・サイネージを使用してミニ勉強会を実施したりもできる。

[営業スタッフエリア]

チームごとにまとまって着席するグループアドレスを採用。隔週で島の位置が変わるため、多くのコミュニケーションを生み出せる。

新たに生じた悩みと、その解決

2015年9月に新しいオフィスがカットオーバーして以来、コミュニケーションや効率、モチベーション面で、確実に良い効果が生み出されてきた(実施したアンケート等の回答より)。
「WIC(働き方改革委員会)」を中心に委員会活動も継続され、良好なオフィス環境の維持と、さらなる働きやすさの追求も進められていった。

そのような中、2017年、ファシリティに関わる新たな悩みが発生した。

8-1. 余剰スペースを活かして新たに機能エリアを増設
組織再編によるオフィス内の人員減少で、余剰スペースが発生したのだ。
そこで、新たなコミュニケーションエリアとして「コミュニケーションエリア」と「立ち作業エリア」を設置。
作業集中エリア」も増設し、移り変わる働き方のニーズに合わせて、フレキシブルにオフィスの形を変化させている。

[コミュニケーションエリア]

人が集まる仕掛けをつくり、コミュニケーションを図る場に。掲示用のボードはあえてアナログな黒板を設置し、あたたかい雰囲気を演出している。

[立ち作業エリア]

人が集まる仕掛けをつくり、コミュニケーションを図る場に。掲示用のボードはあえてアナログな黒板を設置し、あたたかい雰囲気を演出している。

[作業集中エリア]

ディスプレイを設置し、作業がしやすいように配慮。集中して資料作りに没頭したいときなどに重宝する。

8-2. 人は減っても、コミュニケーション量は増大

組織再編によってオフィス内の人数は減少し、一時は活気も減ってしまった。そこで、定期的なランチ会などを試験的に開催。仕事以外の話にも花が咲き、コミュニケーションが活性化された。

まとめ:これからのワークプレイス改革

働き方を自在にするワークプレイスサービス「ZXY(旧ちょくちょく…)」

まとめ:これからのワークプレイス改革

このように、自社オフィスの「働き方改革」をチャレンジし続けているザイマックスインフォニスタは、「ワークプレイスの多様化」という世の中的な流れを見据えながら、現在、新しいオフィスサービスの提供を進めている。それは、都心型の「営業タッチダウンオフィス」と、郊外型の「リモートワークオフィス」といった、2種類の機能をカバーするサテライトオフィス「ZXY(旧ちょくちょく…)」の展開だ。

このようなリモートワークの新提案を通じて、より多くの「働く場所の選択肢」を世の中に示しているザイマックスインフォニスタは、“これからのワークプレイス改革”を進展していくにあたって、以下の2つの点を大事にしている。

(1)「働く場所の選択肢」の多様化を、業務の効率化、ひいては企業としてのパフォーマンスの向上につなげていくこと。

(2)リモートワークができる環境下における「オフィスの存在意義」=「本当のオフィスの在り方」と向き合い、時に応じて、オフィス環境をフレキシブルに変革していくこと。


ザイマックスインフォニスタは、以上の2点を大切にしながら、これからも働き方改革を実践していく。

この事例と同じシリーズの事例

今回協力して下さった企業様

株式会社ザイマックスインフォ二スタ

設立
2017年
本社所在地
東京都港区赤坂1丁目1番1号
事業内容
不動産の売買、賃貸、賃借、管理およびその仲介、代理、斡旋
従業員数
68名(2017年4月1日現在)
Webサイト
https://infonista.jp/

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